1歳7ヶ月から2歳7ヶ月は最も危険なお年頃!? 幼児期

生後6ヶ月頃から生えて来る赤ちゃんの前歯。なんとも言えず愛くるしく可愛いあの乳歯は、3歳頃までには上下20本全部生え揃います。生えてきたばかりの乳歯は実はまだ歯の表面のエナメル質が十分ではなく、何年もかけて徐々にリンやカルシウムを取り入れ、エナメル質を強くしていきます。また、エナメル質だけでなく、その下の象牙質の層も薄いため、少しの虫歯菌でもあっという間に広がり、虫歯になるとすぐに神経まで侵されてしまいます。乳歯はどうせ抜けるからと思ってはいませんか?乳歯が生えることにより子供は徐々にものを食べることが出来、また、発音することが出来るようになります。そして乳歯は永久歯の歯並びにも影響を及ぼし、永久歯の歯並びは虫歯や歯周病、肩こり、偏頭痛等を引き起こす原因にもなります。乳歯をぜひ大切にして下さい。

ミュータンス菌をご存知ですか?これは虫歯の非常に悪質な悪玉菌のことです。虫歯と一口に言っても、大人の虫歯と子供の虫歯では原因となる細菌の種類が異なります。子供の急激に進行する虫歯はこの、ミュータンス菌によって引き起こされることが多いのです。今まで度々虫歯は感染症で、唾液から移るということをお伝えしてきましたが、この菌の感染の危険性は赤ちゃんが大きくなるまでずっと続くわけではなく、生後1歳7ヶ月から2歳7ヶ月の1年間にほぼ感染が成立するという説があります。この間に特に注意をし、感染を完全に防げば、その後はずっとミュータンス菌が感染しにくくなるということです。だからこの時期にお母さんやお父さん、または保育に関わる人が自分の口の中の菌を少なく保っていれば、赤ちゃんへの感染を防ぐことが出来ます。逆に言えば、この時期に皆さんの口の中にたくさんのミュータンス菌がいたら、生えたばかりの赤ちゃんの真珠のような歯にこの菌が定着し、この時期に定着してしまうと、その後いくら歯磨きをしてもこの菌は容易にはとることが出来ません。3歳ぐらいまでにこのミュータンス菌に汚染されていなければ、その後は比較的虫歯になりにくくなるということです。子供の未来のため、得に細心の注意を払って感染をふせいであげましょう。またこの時期は乳歯の奥歯が生えてくる頃です。奥歯は前歯に比べると面積が大きいし、山や谷があり複雑です。その奥歯にニュータンス菌が移るととても厄介です。しっかりケアしてあげましょう。

虫歯菌を移さないだけでなく、普段の生活習慣にも虫歯予防をぜひ取り入れて下さい。

離乳食には栄養の豊富なものを。また、あごは噛む事で発達します。離乳食後期には噛み応えのある食べ物を取り入れてあげてください。
食事やおやつの時間を決め、規則正しいリズムを身につけさせてあげてください。だらだらと口の中に常にものがある状態では、虫歯菌に増えろと言っているようなもの。メリハリのある生活習慣が虫歯も予防します。
食事の後は歯磨き習慣。まずは白湯やお茶など糖分の無いものでお口の中をさっぱりと。そして一日一度は歯磨きを。まずはガーゼで優しく拭いてあげてください。赤ちゃん用の歯ブラシ(のどの奥まで入らないような工夫がしてあるもの)を食後に赤ちゃんにくわえさせてあげる習慣をつけてみても良いのではないでしょうか。
ぜひこの時期から歯医者さんと親しくなるチャンスを作ってあげてください。痛くなって初めて歯医者に連れて行くのでは、子供は歯医者に行くことに恐怖心を覚えます。定期的に検査をし、クリーニングをしてもらうことで虫歯も予防でき、歯医者に不安を覚えないようにもなります。

感染に注意するとともに、生活習慣をもう一度見直して、子供の大切な歯を守ってあげましょう。