大人の仲間入り 6歳臼歯と歯の生え変わり 学童期

初めての大人の歯はどのように生えてくると思いますか?永久歯は乳歯が抜けてから生えてくると思っている方が意外と多いようです。6歳臼歯は乳歯の奥に生えてきます。そしてこの6歳臼歯(第一大臼歯)、口の中で噛む力が最も強く、歯を食いしばる上で一番重要な歯なのです。また、永久歯全体の歯並びや、噛み合わせの基本ともなる大切な歯です。ただ、困った事にこの6歳臼歯は顔を出してから完全に生えるまでに約1年から1年半もかかります。乳歯の奥に生えてくるので気づきにくく、歯ブラシも届きにくいため、最も虫歯になりやすい歯なのです。この歯が生えてから5年以内の子供の調査で、6歳臼歯を虫歯にしてしまった子は80~90%にもなるそうです。生えたばかりのエナメル質は酸に弱く、噛み合わせ面には深い溝があります。本人も生えてきている事に気づかないことが多いようで、ついつい歯磨きを疎かにしてしまいがちです。

このようにお口の健康の要である6歳臼歯を守るため、シーラントという処置を行うことがあります。これは6歳臼歯の複雑な深い溝をコーディングを(予防填塞)してしまい、虫歯にならないようにする処置です。アメリカの保険では80~100%位までカバーされています。お子様がこの処置が必要かどうかはかかり付けの歯医者さんにご相談ください。

よくお母さん方から受ける相談で、「まだ乳歯が抜けないのに永久歯が生えてきてしまった」「乳歯が抜けてからしばらくたつのに、永久歯が生えてこない」というものがあります。

一般的に乳歯と永久歯の交代は、6歳頃から始まり、6~7年位の期間をかけて徐々に行われます。そして、親知らずを除く28本の歯が12歳、13歳頃には生え揃います。これはちょうど小学校の入学から卒業までの間にあたり、この時期に子供から大人への移行が少しずつ口の中で行われているということです。この時期に何らかの異常や不都合があると、永久歯が生えて来られなかったり、正しい場所に生えずに歯並びが悪くなったりすることがあります。子供一人一人で生え方や、時期、順序に差があることがありますが、ご心配なことがあったら遠慮なく歯医者さんにご相談ください。

また、生えたての歯は完全に出来上がっているわけではなく、エナメル質がまだ弱く、数年をかけてたんぱく質の柱の間にリンやカルシウムといった無機質を取り入れて少しずつ丈夫になります。この期間は歯並びも不揃いで歯磨きがしにくく、口の中に汚れが溜まりやすい状態にあります。また、そろそろ親が仕上げ磨きをしなくなって、歯磨きを完全に子供に任せてしまう時期なので、非常に虫歯になりやすい時期ともいえます。定期的な検診や、赤ちゃんの頃からの歯磨き習慣、バランスの良い食事(特にカルシウムは大人以上に必要になります)や歯応えのある食事で唾液をたくさん分泌し、口の中を清潔にするよう心がけるなど、側面からのサポートで、ぜひお子様を応援してあげてください。

永久歯はこれから一生使い続ける大切な歯です。何事も最初が肝心。