最近よく聞くアンチエイジングという言葉。お肌のしみやしわ、髪の毛の色艶だけではありません。実は口の中にも有効な言葉なのです。
食べ物を噛む、砕く、飲み込む、消化する……など、口の中では私たちの体に必要な栄養を効率よく補給するために、重要な役割を担っています。体に必要なエネルギーを補給する入り口として、「お口の健康」はアンチエイジングを実践するためにも欠かせないケアのポイントといえます。肌や髪に気を使うだけではなく、口の中にも気を配ってこそのアンチエイジングです。
お口の中がしっかりと機能していれば、胃に負担をかけずに消化ができ、栄養補給がスムーズに行なわれるだけでなく、「噛む」という刺激が、満腹中枢に働きかけて食欲をコントロールしたり、脳神経を刺激して脳の老化防止にも関係しています。まさに、アンチエイジングにはお口のケアが第一歩ですね。
それではお口の中の老化現象を調べて見ましょう。
次の10項目で一つでも当てはまれば、お口の老化が始まっている可能性があります。まずは歯科医師に相談してみてください。
【口の老化セルフチェック】
- 口の中が乾く
- 食べ物が飲み込みづらい
- 緊張やストレスが多い
- 歯ぐきから血が出る
- 歯ぐきが赤く柔らかい
- 歯がネバネバする
- 歯の間に食べ物が詰まりやすい
- 舌が白っぽい
- 口臭が気になる
- 口内炎ができやすい
如何でしたでしょうか? 当てはまるものがありましたか?
お口の中が乾く、臭うなどの自覚症状がある場合、唾液の分泌が不足している可能性があります。唾液はお口の汚れを洗い流し、食べ物の消化を助け(アミラーゼ)、口内の粘膜を保湿したり、食べ物の滑りをよくし(ムチン)、細菌感染から守り(リゾチーム)、さらに成長ホルモン(IGF-1)、抗酸化酵素(ペルオキミターゼ)、抗炎症や免疫調整作用物質(ラクトフェリン)も含んでいます。老化が進むと、口の筋肉が弱ってきて、そのせいで唾液の分泌が少なくなっていくことで、口腔内の汚れがたまり始めて、自浄作用が低下していき、悪臭の元となってしまうのです。まさに唾液は「アンチエイジングの万能選手」といえます。
長年のお手入れ不足や、加齢等によって歯が抜けてしまうと、余計にお口の中の老化を促進する原因になります。虫歯や歯周病で歯が抜けてしまうと、噛む能力が大きく低下し、噛むのに必要な咬筋が萎縮してしまいます。その結果、柔らかい食品ばかり食べるようになり、糖質の摂取が増加する一方で、たんぱく質、カルシウムの摂取が不足しがちになり、また便秘にもなりやすくなります。それから、舌炎が続くと味を感じるのに必要な味蕾が萎縮して、味覚機能が低下し、その結果、食欲も落ちてしまいます。これでは適面に外見の老化にも影響しますね。
年を経るにつれて、歯の数は段々と少なくなっていきますが、歯磨きを丁寧におこない、虫歯を治療をすれば、歯が抜けることを抑えることが出来ます。
お口の中の老化を防げれば、外見上のアンチエイジングも可能なのではないでしょうか。