悩み多き思春期

歯肉炎は大人の病気だと思ってはいませんか?永久歯がはえそろう中学生ぐらいになると、歯肉炎にかかる子供が多くなってきます。この時期はホルモンが大きく変化する時期です。この変化に反応してちょっとしたことでも歯茎が炎症を起こしやすくなり、また、反応が激しく出やすくもなります。おまけに、虫歯の増加率が最も高いのもこの時期です。これはホルモンの影響だけでなく、食生活や生活パターンの変化が大きな原因です。甘いものを取りすぎたり、だらだらと食べたり、歯磨きをしないまま寝てしまったり、時間がなくって歯磨きはものの5秒で終わり!なんて。歯周病は自覚しないうちに徐々に進行します。日常的に歯や歯茎の状態をチェックすることはとても大切です。その際のポイントとしては、歯と歯の間の歯肉の3角形の部分(歯間乳頭)をよく観察しましょう。歯肉の炎症はここから始まることが多いので、赤くなっていないか良く見てみましょう。

また、次のような症状に心当たりはありませんか?

  • ブラッシングすると出血する
  • 冷たいものがしみる
  • 歯が長くなった気がする/歯の根が見える
  • 歯と歯の間に物が挟まりやすい/隙間がある
  • 朝起きた時に口の中がネバネバする
  • 口臭がある
  • 時々歯肉が腫れる
  • 歯がグラグラする

心当たりがあれば、かかりつけの歯医者さんで検診を受けましょう。また、毛先の柔らかい歯ブラシで丁寧に歯茎もブラッシングしてあげましょう。

腫れた歯茎
健康な状態

初潮を迎えた女の子は女性ホルモンの分泌が盛んになり、そのバランスの変化によって歯肉に炎症を起こしやすくなります。また、その後も月経にともなって、周期的に歯肉の炎症を起こしやすくなり、歯茎から出血しやすくなることがあるようです。このような時期には普段よりも密度の濃い、丁寧なブラッシングで炎症を防ぎましょう。

12,13歳頃になると親知らずを除く永久歯がほぼ生え揃います。この時期になると子供は親の管理から離れ、自分の時間を多く持つようになります。自分なりの生活のリズムも確立してきて、あらゆる面での自立が始まります。食生活や睡眠などの生活習慣も、この時期になると乱れがちです。きちんとした歯磨き習慣、生活リズムがついているかどうかは、この時期までの親との生活にかかっているでしょう。虫歯や歯周病は生活習慣病とも呼ばれているように、正しい歯磨きと規則正しい生活習慣が身についていれば、殆どの場合防げるものです。一時の予防ではなく、毎日の正しい習慣を身につけてこそ、初めて実現できるものです。どうぞこの時期までにお子さんの生活習慣、正しい虫歯予防習慣を身に付けさせてあげてください。